日本の首相の筆跡

何年か前に自民党の総理経験者である麻生太郎安倍晋三民主党野田佳彦菅直人が筆で書いた字を比較するツイートか何かを見た記憶がある。麻生や安倍は字がとても上手く、野田や菅はそんなに上手くなかった。その比較で野田や菅を揶揄するような内容だったと思う。

リツイートもたくさんついていた。

 

字が上手いのは人間性が優れていると考える世間話を聞くことはままある。

人間性が優れている人が字が上手いわけでもないし、人間性を向上させれば字が上手くなるわけでもない。

字が上手いのは人に習い練習したからである。字を習い練習するのは、だいたいは字が上手いことを重んじる家庭に生まれたからだ。

字が上手いことを尊ぶのは、日本では宮中では顕著だった。源氏物語でも女三の宮の筆跡の話題が出てきたことがあったとおもう。

 

安倍や麻生は皇族の親戚で、字が上手いのはその影響だ。野田や菅直人は普通の家庭で生まれた。

彼らの字の上手さから人間性を推し量る向きは、そういう生まれの違いから人間性を推し量るという価値観にコミットせざるをえない。彼らは、その覚悟があったのだろうか。