2023-01-01から1年間の記事一覧

企業法務弁と街弁のマルクス的分析

街弁よりも企業法務の方がなんか高尚なイメージを持たれることが多い。 しかし、企業法務の方が自由度は低い気がしている。 結局、企業法務とは、会社の法務業を弁護士事務所に外注されたものであり、企業のために業務をこなすという点では会社員と似ている…

刑法各論を制するものは司法試験を制する。

超名作バスケ漫画のスラムダンクにこういうセリフがある。 リバウンドを制するものはゲームを制する。 一方司法試験にはこういう格言がある。 民法を制するものは司法試験を制する。 あえて言いたい。 「刑法を制するものは司法試験を制する」が正しいと。 …

強盗罪の反抗の抑圧

強盗罪の実行行為である暴行・脅迫は、程度要件として反抗を抑圧するに足りるものであることが必要である。 なぜこれが要求されていることを財産犯の体系に沿って説明できるだろうか。 これを理解しているかどうかで、強盗罪の当てはめの精度にも差が出てく…

夫婦同姓と別異取扱い

夫婦同氏制に対する違憲訴訟に対する最高裁の判決・決定がH27.12.16とR3.6.23にありました。 このうち最高裁の考えが述べられているのはH27の方です。 (R3の方はH27年の判旨を追認する旨の判示がされており、実質的な判断を示していません。上告趣意書も最…

司法試験の予備校の選び方

今日は、司法試験の予備校の選び方について論じたいと思います。 ◼︎1番大事なことをまず話します。 まず講義が長くないことがすごく大事です。 はっきり言って講義がわかりやすい予備校は少ないので講義が長いと受け切るのが苦痛です。 というより、受けきれ…

誰にでもわかる法律用語解説①

・法とは 法とは、約束事です。 約束事というのは、目に見えるものではありません。主に言葉(言語)で行われます。 「殺人をしてはいけません」「物を買ったらお金を払わないといけません」etc... 約束事と言っても、約束事といっても、ただの約束事ではあ…

承継的共犯と因果性

承継的共同正犯とは、実行行為後に共謀に加担したとき場合に、その加担者の共犯関係をどう処理するかという問題のことを言います。 受験生が1番使う基準が積極利用の基準というもので、内容としては、後行加担者が先行者の行為・結果を自己の犯罪として積極…

Twitterに書けない呟き:結果無価値と行為無価値

◾️違法性とは 違法性とは何か 違法性とは法に反することである。 これはトートロジーに思えるかもしれない。 しかしこれを確認しておくのは大事なことだ。違法性とは法に反すること。これを出発点にして以下見ていこう。 ◾️結果無価値・行為無価値とは では…

効果的で過度でない「この論争を終わらせに来た」

「効果的で過度でない」という審査基準は良いのか良くないのか。話題になっています。 これについて検証していきます。 ⬛︎違憲審査基準論とは 憲法では、違憲審査基準論という違憲審査の手法が(実務上も→少なくとも弁護士が書面書く際は)学説上も承認されて…

目的効果基準の死亡確認

目的効果基準が孔子廟判決で死んだかという議論があります。 結論的には死んだとは言えませんし、あなたが受験生なら使えるように用意しておくと役に立ちます。 (私自身は基準で決着がつくようなものではないと思っているのでどっちでもいいのですが、受験生…