遅刻する生徒にキレるべきか

youtu.be

 

これは荻野先生という代ゼミの講師がいつも遅刻してくる女子生徒にブチギレている動画です。

 

私はこの動画はとっても好きで何回も見ていて、事なかれ主義ではなくちゃんとキレられるこの先生のことにとっても好感を持っています。動画の後半に差し掛かる頃に出てくる「今はお金を払ってる立場だからみんなに相手してもらえるけど、お金をもらう立場になった瞬間に誰も相手にしてもらえなくなる」という話もとっても身にしみるような話でとっても好きです。

 

なので私はこの動画がYouTubeのホーム画面に流れてくるたび何回も見てしまうのです。

 

■モヤる

ただ、この動画を見るとこの先生の良さを感じる心とは別に、なんか胸にモヤっとする物も残るのです。本当にこの遅刻をする生徒にみんなの前でここまで強くキレられるほどの悪性があるのか、という疑問なのです。

 

私の経験上、遅刻をよくする人が根っからのサボりだったり心の底から怠惰だった、というケースは皆無と言っていいほどありません。どちらかというと、本当はとっても間に合いたいんだけどつい遅刻をしてしまう、という人が殆どではないでしょうか。そして、普段の他の行動から見ても、そういう人たちの多くがADHDの傾向がある人だと感じます。つまり、遅刻はその人の性格とか人格の問題なのではなくて、もともと持っている性質とか向き不向きの問題だと思うのです。また、生育環境や家庭環境が原因になっている場合も同様です。

 

実は私も情けないことに遅刻の常習犯です。私も時間の計算をするのが本当に苦手で遅刻で相手に迷惑をかけることも、遅れて教室に入って恥をかくことがとっても苦痛なのにそれでも間に合うように行動するのがとっても難しいのです。

私は学部時代、出席したい授業に最初から参加してきちんと理解したいと思っていたのに、間に合うことが殆どできませんでした。

それでも私は、大学を卒業してから栄養の知識を勉強して栄養バランスを整えて、それを1年ぐらい続けて身体と頭を健康な状態に保てるようになると遅刻の回数はずいぶん減りました。遅刻する理由には朝身体が全然動かないこともあったのですが、それも栄養をたくさん取るようにしてからは朝もかなり動けるようになりました。それでも時間の逆算が合わなかったり出発前にバタバタして遅刻することは今でもたまにあります。

 

冷静に考えてみれば、怠惰=サボりたい人なら遅刻してみんなの前で恥をかいてまで教室に入るとは思えません。本当にサボりたいなら目をつけられないようにちゃんと時間のちょっと前に来て話をちゃんと聞いてるをフリでもしたり机の下でケータイでもいじっている方がよっぽど使うエネルギーを減らせるし効率がよいです。むしろ、そういう風にちゃんと来てちゃんと聞いてるような顔をしてる人がいわゆるクズな場合の方がよく見られる現象です。

もっというと、サボりたいなら休めばいいだけの話で、わざわざ遅刻をする必要なんて全くないわけです。むしろ、遅刻して恥ずかしい思いをしてでも授業に行くという強い意思を持っている人なのだと考えるべきなのです。特に卒業要件のない予備校ならより一層そうです。

 

ですから、教師が遅刻をしてきた生徒に強く怒るのは無意味で、むしろ有害でしかないと私は思うのです。教師がしてあげられることは「夜ちゃんと寝られてるか」「しっかりご飯食べてるか」とか「悩み事はないか」など、生活環境を心配してあげたり助言したりすることだと思います。さっきから言っているように、遅刻の原因は本人の意識の問題がではないのですから。普段の生活や食生活・メンタルが整っているかどうかが遅刻しないためにはとっても大事なことなのです。

 

なので、さっきも言った通り荻野先生はとっても好きな部類の先生なのですが、正直私はこの動画で荻野先生が叱った内容に関しては賛同することができません。相手の人格に原因を求めるのではなく、本当の原因に目を向けてあげてほしかったと思います。

 

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