刑法各論を制するものは司法試験を制する。

超名作バスケ漫画スラムダンクにこういうセリフがある。

 

リバウンドを制するものはゲームを制する。

 

一方司法試験にはこういう格言がある。

 

民法を制するものは司法試験を制する。

 

あえて言いたい。

 

「刑法を制するものは司法試験を制する」が正しいと。

 

もっと言えば、刑法各論を制するものは法律を制する。

 

◼︎刑法各論を制すれば司法試験を制する。

 

なぜ刑法各論を制すれば司法試験を制するのか。

 

それは、法律解釈、条文の文言解釈、法の体系的理解、論文の作法。

 

これらのエッセンスの基本形態が刑法各論に凝縮されているからだ。さらに、これらを学ぶ最良の教材が刑法各論なのだ。

 

主な理由は、罪刑法定主義のもと、刑法は法の欠缺を判例が埋めることを許さない

 

犯罪成立要件は必ず条文に書いてある(不文の構成要件要素も条文解釈として条文から出てくるものである)。

 

刑法各論では、民法憲法のように判例や慣習から生まれたドグマに事実を当てはめることはない。

 

したがって、六法を開き、条文を読み、条文を摘示し、文言を解釈し、事実に当てはめる。これらの超基本動作をひたすら繰り返すのが刑法各論の分野なのである。

 

 

◼︎刑法各論を制するにはどうすればいいか。

では、刑法各論を制するにはどうすればいいか。

 

財産犯の体系を理解すれば刑法各論は制するといえる。

 

なぜなら犯罪体系や、体系を踏まえた構成要件の解釈論など、刑法各論に必要な技法は財産犯で全て習得できるからだ。