誰にでもわかる法律用語解説①

・法とは

法とは、約束事です。

約束事というのは、目に見えるものではありません。主に言葉(言語)で行われます。

「殺人をしてはいけません」「物を買ったらお金を払わないといけません」etc...

 

約束事と言っても、約束事といっても、ただの約束事ではありません。国家の約束事です。

 

この約束事というのは国会でされます(憲法41条)。

 

一応理屈としては、国会は全国民の代表ですから、全員がルール形成に参加したと見なされるので、国民はこの約束事に従う必要があります。

 

約束事というのは頭の中にだけあります。鉛筆とか石みたいにそこら辺に落ちているわけではありません。

 

「XがYに売買代金債権を有する」と言ったりしますが、これは「そういう約束事を頭の中で行いましょう」という意味なわけです。

 

「他人の財物を窃取したら窃盗罪が成立する」というのも、「そういう約束事を頭の中で行いましょう」という意味です。

窃盗罪というのがそこら辺に落ちているわけではありませんから。

 

・原告・被告

原告とは、裁判所に訴訟を申し立てた方を指します。

被告とは、原告に訴えの相手方とされた方を指します。

 

ちなみに、反訴という制度があり、これは被告が原告に訴えられた際に同一手続きで訴え返す方法です。

(たとえば、原告と被告が交通事故を起こし、原告が被告に不法行為で訴えたら、逆に被告も不法行為訴え返す、など)

この場合は、反訴を起こした本訴被告を反訴原告、反訴を起こされた本訴原告を反訴被告と呼びます。

 

民事訴訟は、主に私人vs私人という構図なので、誰でも誰にでも訴えることができます。

しかし、刑事訴訟では、「検察官」という国家の機関が訴訟を提起するで始まります(それでしか始まりません)。

(ちなみに、「機関」というのは組織の中の組織という意味です)

 

なので、検察官vs被告人という図式です。被告ではなく、「被告人」といいます。

 

マスコミでは⚪︎⚪︎被告という使われ方をします。

 

これは法律上の用語とは異なりますが、テレビ等ではこれで通用しているので特に問題視するようなことではないと思います。

 

・契約

契約というのは人と人の約束事をいいます。

 

民法というのがありますが、これは基本的には契約法と言ってもいいでしょう。

 

民法は裁判規範であって、実際の私人たちの行為規範はこの契約です。

 

雇用契約がわかりやすいですが、人と人との約束がまず行為規範で、民法はそれを修正・補完するものと言ってよいでしょう。